大野・勝山地区広域行政事務組合

令和2年12月定例会 管理者提案理由説明

令和2年12月23日

 第125回大野・勝山地区広域行政事務組合議会定例会の開会にあたり、最近の諸情勢や本組合の主要な事業の取り組み状況について、申し述べますとともに、提案いたしました各議案の概要についてご説明申し上げます。

 令和2年当初から世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症は、日本国内においても依然として収束の兆しが見えない状況となっています。
 季節性インフルエンザとの同時流行の懸念や年末年始が控えていることから、引き続きマスクの着用、手指の消毒、「三密」を避けるといった「新しい生活様式」の取組など、県民行動指針に沿った感染症対策を徹底することが必要です。

 本組合では、ごみ処理施設運転管理業務の委託先である神鋼環境メンテナンス株式会社に対して感染予防の徹底を指導するほか、施設見学に対しては、マニュアルを作成し、1回あたりの見学者の数を減らす、見学時間を短縮するなどの対策を行っています。
 また、ポストコロナ時代を見据え、行政のデジタル化など「新たな日常」の実現に向けた施策を積極的に進めています。
 7月には、ごみを持ち込む車両の混雑状況を常時確認できるようライブカメラを設置しました。
 さらにWEB会議にも対応できるよう、建物内のWiFi環境を整えたところです。
 今後、介護認定審査会をWEB会議で実施するため、審査委員1人につき1台のタブレット端末の購入費などを本定例会の補正予算案に計上しています。

 それでは、本組合の主要な事業の取り組み状況についてご説明申し上げます。

 まず、本圏域の重要課題であります「中部縦貫自動車道の整備促進」については、8月6日に本組合として近藤議長との連名で国土交通省近畿地方整備局に対し、要望書を提出しました。
 今後とも、大野油坂道路の一日も早い全線開通に向け、関係機関に対し、必要な予算の確保と着実な事業推進を積極的に要望していきたいと考えていますので、議員各位のご支援とご協力をお願い申し上げます。

 次に、「ごみ処理の状況」について申し上げます。
 ごみ処理施設「ビュークリーンおくえつ」における本年度11月末のごみ処理量は、1万4,360トンで、その内、1万2,025トンを焼却処理し、1,784トンを再資源化しています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛により、家庭ごみが増加したことから前年度同期に比べ、ごみ処理量は97トン増加した反面、再資源化量は165トン減少しています。

 また、最終処分場「エコバレー」においては、雨水(うすい)排除対策を行いながら、安定した埋立てを行っています。
 本年度予定していた3段目土堰堤の築造工事については、11月27日に竣工しました。この築造により新たに約7,300立方メートルの埋立てが、可能となりました。

 「ビュークリーンおくえつ」の排出ガス、「エコバレー」の放流水の水質などについては、いずれも自主基準値を下回る良好な状態を維持しています。
 今後も安定した運転管理を行うとともに、環境保全に万全を期していきます。

 なお、ごみ処理施設の見学者数は、新型コロナウイルス感染症の影響で前年度同期に比べ106人減少し、本年度11月末で364人でした。

 次に、「介護認定審査」と「障害者介護給付市町村審査」について申し上げます。
 本年度11月末の審査状況ですが、介護認定審査会では、新規申請者数が減少したことなどから、昨年度同期に比べ、364人減少し1,679人となりました。また、障害者介護給付市町村審査会では114人でした。

 今後も国の認定基準に沿った公平・公正かつ適正な審査が行われるよう、審査会の円滑な運営に努めていきます。

 次に、「青少年健全育成」について申し上げます。
 奥越青少年愛護センターでは、地域における青少年の非行防止や健全育成を図るため、147名の補導委員が、街頭補導による「愛の一声運動」を行っています。本年度は、コロナ禍により補導活動の対象となるイベント等が縮小したため、例年の活動には及んでいませんが、11月末で22人に道路交通マナー等に関する声掛けを行いました。また、青少年指導員による面接や電話での相談活動では、7件の相談を受けています。
 今後とも、地域の皆様や関係機関などと連携を取りながら、青少年の健全育成に努めていきます。

 次に、「広域観光の推進」について申し上げます。
 本組合では、奥越前観光連盟を中心に、大野市・勝山市と連携し、奥越前の魅力発信と観光誘客の促進に努めています。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、様々なイベント等が中止・縮小されるなか、本年度は、主に県内に向けてインターネット広告により奥越前のスポット等を紹介したほか、動画投稿サイト「ユーチューブ」に国内観光団体初の360度動画専門のチャンネルを開設しました。ここに、職員が圏域内の観光地等の動画を撮影し、投稿してPRを行います。
 併せて、このチャンネルを広く周知するため、視聴者自身があたかもツアーに参加しているように感じる「奥越前バーチャルバスツアー」の360度動画を制作しました。
 この動画については、来年1月に福井駅前のプラネタリウム施設「セーレンプラネット」において、県内報道機関と希望された県民の皆様を招待し、上映会を開催する予定です。
 今後も奥越前の魅力を伝えながら、観光誘客を図っていきたいと考えています。

 また、九頭竜テラル高原推進協議会では、2年連続の雪不足で落ち込んだスキー客の誘客を図るため、特に県内向けのPRに努めているところです。
 今シーズンこそは、スキー場が雪に恵まれ、大勢のスキー客で賑わうことを心から願っています。

 さらに、圏域を越えた活動としては、環白山広域観光推進協議会の関係自治体等と連携してパンフレットの作成や配布を行ったほか、本年度はマイクロツーリズムを促進するため、マスコミを活用した環白山地域に向けたPRを行っており、今後も奥越前を中心とした観光周遊を促進していきます。

 それでは、ただ今上程されました各議案についてご説明申し上げます。
 予算議案といたしましては、一般会計とふるさと市町村圏振興事業特別会計の補正予算案2件、その他といたしましては、令和元年度一般会計及びふるさと市町村圏振興事業特別会計の歳入歳出決算の認定1件について、ご審議をお願いするものです。
 一般会計の主なものといたしましては、令和元年度の繰越金確定による両市への返還金や、WEB会議用のタブレット端末を購入するための経費など合計2千403万円追加し、予算累計額を12億4,901万7千円とするものです。

 各議案の内容につきましては、事務局長が説明しますので、慎重にご審議のうえ、妥当なるご決議を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。